ラベルに汚れ破れがありますが、「嘉納合名會社（かのうごうめいがいしゃ）」「白鶴（はくつる）」がはっきりと読める古い一斗酒瓶（いっとさかびん）です。 写真１枚目左の４合徳利は比較のために並べたもので、この出品の商品ではありません。 出品の一斗瓶は、ラベルの文字が旧字体や右からの書き順から戦前のものですが、上は「播州灘御影　嘉納合名會社　大阪市横堀」、下は「登録商標」と縦書「白鶴」です。 「白鶴」は兵庫県神戸市の酒造メーカー「白鶴酒造株式会社」が製造する清酒として有名ですが、ネット上で『嘉納財閥は、「灘の生一本」で知られる、灘五郷の本家・本嘉納家（菊正宗）と分家・白嘉納家（白鶴）の酒造業を母体とする阪神財閥の一つ／本嘉納家は１６６０年に酒造業を始め、本嘉納の分家・白嘉納が１７４３年に「白鶴」の醸造を始める』と紹介されています。 その後終戦直後までの白嘉納の歩みは『１８７８年（明治１１年）業界に先駆け瓶詰め酒を発売／１８８５年（明１８）「白鶴」の商標登録／１８９７年（明３０）「嘉納合名會社」に改組／１９２７年（昭和２年）昭和酒造株式会社を設立／１９４７年（昭２２）嘉納（合）と昭和酒造（株）を合併、商号を「白鶴酒造株式会社」に』と紹介。 ラベルや上の歴史から、出品の一斗瓶は、明治末から大正、昭和終戦までに製造された酒瓶であり１００年以上の経年品です。このため瓶全体の汚れ、ラベルや白磁器のコルク器械栓の劣化による損傷が見られますが、酒瓶に目立った欠けやヒビなどはほとんど見つかりません。 瓶底（写真８枚目）に白く見える部分がありますが、欠けやキズではなく何かの付着汚れだと思います。なお、水５リットル程度満たし暫く放置しましたが漏れは確認されませんでした。 大きさは概略で、高さ８０ｃｍ（栓あり）、７７ｃｍ（栓なし）、口径４ｃｍ、底径約２１ｃｍ、重さは約６ｋｇ。 重厚で華麗な歴史の嘉納財閥、その「嘉納合名會社」時代の清酒「白鶴」の一斗酒瓶で１００年以上の経年品です。口栓の補修や内部の洗浄などの上何かの貯蔵用に、或はオブジェ、看板・シンボルなどに活かしていただければ幸いです。 【参考】一斗＝十升＝百合＝１８０００ｍｌ＝１８リットル、塗料の缶は主に一斗缶で、一升瓶ともにＪＩＳ規格で寸法や容量などが規定されていますが、一斗瓶の規格はないようです。